賃貸物件を売りたい!売却の流れと注意点

賃貸物件を売りたい!売却の流れと注意点

「賃貸物件を所有して、オーナーとして家賃収入を得てきたけれど、物件を売却することにした」。そう決断したら、何に注意をして、どのような手続きをしておく必要があるのでしょうか。個人の住宅を売却する場合なら、物件を査定してもらい、仲介不動産会社に依頼し、買い手を探してもらうのが一般的です。賃貸物件売却の場合も個人の住宅と同様に、査定をしてもらい、仲介不動産会社に依頼するのですが、売却段階で問題になることがあります。それは現在の入居者への対応です。今回は売却後にトラブルを残さないための注意点と手続きの流れを確認しましょう。

売却までの流れを知ろう

賃貸物件でも個人の住宅でも不動産として売却する流れは同じです。いくらくらいで売却できるのかなどを知るためには査定してもらうことからはじめます。まずは売却までの大まかな流れを知りましょう。

査定してもらう

不動産会社に依頼して、物件の価値を評価してもらい、売却する価格を決めます。価格の査定は複数の不動産会社に出してもらうようにしましょう。不動産会社によっても得意不得意がありますから、査定の価格にも差が出る場合もあります。出してもらった査定価格は、周辺地域で販売されている物件の相場価格とも比べ、納得のいく価格になっているかを判断するようにしましょう。一般的に賃貸物件の売却は、貸借人がいる状態のままオーナーチェンジ物件として売却をするのか、全室空室にしてから売却するのかによって査定価格が異なります。オーナーチェンジ物件の場合のほうが、査定価格は低めになることが多いようです。

媒介契約を結ぶ

媒介契約というのは、不動産会社に購入希望者を仲介してもらうために結ぶ契約です。査定を複数の不動産会社に依頼した場合、査定価格に納得して、仲介会社として安心して任せられると感じる不動産会社を探すことが大切です。1社に決めたら、その不動産会社と媒介契約を結びます。物件が市場に出され、売却が可能になるのは仲介してもらう不動産会社と媒介契約を結んだ後からになります。

売値を決める

査定価格や周辺の相場価格などを考慮して、売り出し価格を決めます。周辺の相場より高すぎると売りにくい物件になります。

買い主が決まれば売買契約を締結する

売りに出した物件に購入希望者が現れ、内見してもらい気に入ってもらったら売却となります。入居者がいて、全室の内覧ができない場合もあります。そうした場合は、物件情報を丁寧に伝えるようにしましょう。買い主側も物件の瑕疵情報などは知りたい情報ですから、最初から提示し、説明するほうが誠意を感じてもらえますし、売却後のトラブルを回避することにもなります。

売却する際は不動産会社の立ち会いのもと、買い主と売買契約書を取り交わします。

売却代金の決済と登記依頼をする

買い主から売却代金を受け取り、不動産投資ローンが残っている場合は、すべて返済します。決済後に司法書士に依頼し、法務局で登記手続きをしてもらいます。

買い主に物件を引き渡す

所有権の移転登記後は速やかに買い主に物件を引き渡します。居住者がいる物件を売却した場合は、オーナーチェンジしたことを通達し、家賃の振込先などの変更事項を正確に伝えなければなりません。

入居者のいる物件売却の注意点

賃貸物件の売却を考える場合、賃貸中の状態のまま売却するのか、空室にしてから売却するのか、2つのケースが考えられます。しかし、空室にするためには現在居住中の貸借人に退去を求めなくてはなりません。ここでは入居者のいる状態での売却時の注意点に絞って考えてみましょう。

最初に気になるのは入居者への通達が必要かどうかでしょう。しかし、入居者に物件を売却することは事前に通達する必要はありません。まずやっておくべきことは、物件購入希望者に物件情報をきちんと説明するために、自分が物件の状態を改めて把握しておくことです。

設備など見えない部分の状態を把握しておく

入居者のいる物件を売却する場合、買い主が不安に思うのが室内などの状態を確認できないままで購入することです。例えば、室内に設置されているエアコンが経年劣化していないか、壁や床などの状態はどうかなど、購入後にすぐにリフォームが必要となったり、設備の修繕が必要になったり、予想以外の出費を求められるリスクを気にします。そうした場合、売却後に買い主とトラブルが発生する可能性もあります。

そのようなトラブルや買い主の不安を解消するためにも、できる限り詳細な資料を作り、提示できるようにしておきましょう。設備の修繕履歴などもきちんと示すことが大切です。

賃料などの精算を怠らない

家賃は前倒しで入居者から受け取っていることが多いでしょう。例えば4月の末に売却が決定した場合、5月の家賃はすでに受け取っていることになります。そうした場合は、買い主に5月の家賃を渡す必要があります。

同様に敷金についても買い主に引き継ぐ準備をしておきましょう。

敷金は部屋を借りている入居者が預けているお金ですから、退去時には返金しなくてはならないものです。そのため預かっている敷金についても買い主に渡しておく必要があります。売却価格から相殺して敷金の引き継ぎをするケースが一般的です。もし家賃滞納などで敷金から補填をしているものがあれば、その説明をきちんと行い、精算する必要があります。

売却理由を明確に説明する

賃貸物件をなぜ売却するのか。その理由は買い手にとってもっとも気になるところです。家賃収入が得られているにもかかわらず手放す理由を曖昧にしておくと、入居者とのトラブルがあるのではないか、あるいは周辺地域とのトラブルを抱えているのではないか、など疑われる可能性もあります。

売却の理由は正直にわかりやすく説明する必要があります。

売却後はオーナーチェンジしたことを入居者に伝える

賃貸物件を売却してオーナーが代わることは、事前に入居者に伝える義務はありません。しかし売却後は新しいオーナーと入居者との契約にかわり、預かった敷金も新しいオーナーに継承されますので、入居者には新しいオーナーになったことを伝える必要があります。

物件を売却した後に、新しいオーナーとの連名で通知を出すのがよいでしょう。

トラブルのタネを残さないことが賃貸物件を売却するポイント

賃貸物件であっても個人の住宅であっても、売却する際の段取りは同じですが、賃貸物件の場合は入居者との関係も買い主に引き継ぐことになるので、そうした契約上の問題などを残さないようにする必要があります。

また、すべて物件内部を確認してもらい納得済みで購入してもらうケースばかりではなく、買い主にとってはリスクをある程度承知で購入を決断した、という思いが残ることもよくある話です。その承知したつもりの内容と現実とがあまりにも異なり、リスクが大きいと感じられると、売却後にも揉める原因になります。特に物件設備の瑕疵、修繕履歴などは正確に伝えておく必要があります。

物件の状態、入居者の大まかな様子など、物件価格に影響を与えたり、購入希望者が付きにくいと思われたりする情報は出しにくいものですが、できるだけ情報を開示し、買い主に納得してもらうことが、売却後のトラブル回避につながります。

また、賃貸物件でもオーナーチェンジ物件は賃貸経営をこれから始めたい人にとっては魅力的な物件です。仲介不動産の担当者と相談しながら、周辺地域の魅力などアピールも忘れずに伝えることが、希望価格で早く売却できるコツです。

売却に際しては、さまざまな可能性を想定して相談できる不動産会社の専門家に話を聞きながら、時間的な余裕ももって、準備を進めるようにしましょう。

 

参考:

Ø  賃貸中の不動産を売却するときの手順と注意事項について徹底解説|不動産売却の教科書

Ø  賃貸中の物件を売却する!「売りに出す方法」と、取引での注意点について|イエポタ

Ø  賃貸物件を売却するには?入居者の対応や敷金について|土地カツnet

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