賃貸ビジネスに革命、DIY可能物件が救世主に

賃貸ビジネスに革命、DIY可能物件が救世主に

少子高齢化で人口が減少する日本では、賃貸アパートやマンションの借り手が全国的に減ってきています。この問題は時が経つにつれ深刻化するから厄介です。都内23区とはいえ、駅から遠かったり、築年数が古かったりする物件では借主が見つからず、「空き部屋問題」に悩まされる危険があると言えるでしょう。そこで今回は政府も推奨する「DIY可能賃貸」をご紹介します。

「DIY可能賃貸」とは?

耳馴染まないかもしれませんが、「DIY可能」な賃貸について、その概要から説明いたします。

空家や空室問題に政府も「DIY可能賃貸」を推奨

ニュースや新聞で、少子高齢化や人口減少問題、そしてそれに関連した空家や賃貸物件の空室問題が報じられる機会が増えました。人口の減少は、このままでは緩和されることはなく、その減少率を高める方向にあります。つまり、空家や空室の問題は、これからますます深刻化していくと言えるのです。

それらの打開策のひとつが政府も推奨する「DIY可能賃貸」です。賃貸物件は、本来なら貸主の許可を得なければくぎ一本柱に打てず、美観が高まったとしても、壁紙等を無許可で張り替えれば、原状回復義務として、退去時に元の状態に戻さなければならなくなることさえあります。

その「借主が希望する室内の装飾の変更やリフォーム」を一定のルールに従い、自由にしたのが「DIY可能賃貸」です。

もちろん、これにより、日本全体の空室率が低くなるということはありません。「DIY可能賃貸」にした物件は入居促進効果が期待できるので、絶対数が少なく、かつ、デザインや使い勝手の評価に厳しい借主が増えるなかで、有利に賃貸ビジネスを展開できるということになるわけです。

自分の好みのデザインになる居住空間の魅力

とくに若い人には、DIY(Do It Yourself)で自分のライフスタイルにあった部屋作りができることが、大きな訴求ポイントとなります。入居者の若返りを図りたい場合などに、効果的なわけです。

「DIY可能」にすることの貸主のメリットは?

それでは、どのようなメリットが貸主側にあるのでしょうか。貸主と借主の間のルールから見てみましょう。

基本的なルール

  • 部屋の作り替え等は借主の手や借主が依頼した業者による。

このときの部屋の作り替えは電灯の交換など軽微な物から、畳からフローリングへの張替えなどまで対象は広いです。DIYで行うものから、リフォーム専門業者へ依頼する内容までとなります。リフォーム業者の選定や施行依頼、その内容の決定までを借主が行います。

  • 原状回復

退去時には、DIY工事部分については借主の原状回復義務はないことを基本とします。

  • 入居時の取り決め

「DIY可能」な賃貸物件であることを明らかにし、専用の契約書を交わすときに、借主がリフォーム等の申請書を貸主に提出します。それを承諾することで賃貸契約が成立しますが、契約が先では、リフォームの内容や規模等で、万が一実施が難しい状況になったときに問題となるからです。

貸主のメリット

DIYすることが前提の場合、賃料は少し安めになります。その理由は、むしろ貸主のメリットと関係しています。

  • 前の使用者が使ったままでも貸し出せる

通常、貸主は新しい借主に対して、汚れや不備などを修繕して引き渡します。しかしDIYを許可することで、その負担は借主が負うことになります。

  • 長期賃借の可能性

借主は自分の好みに部屋を作り替えるため、思い入れが生まれ、長期に渡り住んでもらえることが期待できます。

  • DIY済み物件のアピール

いわばリフォームされたのと同じことですので、築年数が古くてもその点をアピールでき、次の借主が早くに見つかる可能性が高まります。

DIY可能賃貸は、借主と貸主の双方にメリットがあることをご理解いただけたかと思います。

DIY可能賃貸の紹介

それでは、DIY可能賃貸におけるリフォームなどで、どのようなバリエーションがあるのか、事例形式で見てみましょう。

DIY賃貸が生きるポイント

DIY可能賃貸では、次のようなDIYやリフォームが例として挙げられます。

  • 古いアパートの若い人向けへの貸し出し(若い人の感性を生かした内装デザインを自分で作ってもらう)
  • 利用者に合った使い方(子供やペット、趣味のスペースの確保)
  • キッチンの近代化(新婚向き)
  • 寝室や浴室やベランダ等(リラクゼーションスペース重視派)
  • 居間の充実(ホームパーティー派)
  • 収納の工夫(趣味のものが多い、書籍が多い、服が多い等)

人により壁の色の好み、窓の装飾、部屋の使い方はさまざまです。読書が趣味の人ならば、部屋に書庫がほしいと思うでしょう。ホームパーティーが好きな人ならば、居間の空間に力を入れたいと思うかもしれません。子供がいて、住宅を買うまでの頭金づくりにしばらく借りる場合などは、安い賃料で間取りが少なくても、2人の子供に勉強スペースを与えたいと考えることでしょう。古くて狭いアパートであったとしても、使い方が明瞭になり、工夫ができれば借主が見つかる可能性が高くなります。

DIY賃貸のポイント

貸主としては、自己所有の物件に手が入れられることを、快く思わないかもしれません。また、そのつもりがなくとも、借主の感性や考え方に共感できないと思えるときもあるでしょう。しかし、そこは価値観の違いだと理解し、他の居住者や周囲の住人に不利益が及ぶものでなければ、借主の目的や思いを重視しましょう。

そしてビジネスとして重要なことは、借主が表れるのを待つのではなく、積極的に貸主からアピールすることです。現在の物件が古く駅から遠かったとしても、どこに手を加えれば生まれ変わるか、その場合、どのような借主が現れそうか想像してそれを具体的なプランにしてみることです。パターンはいくつもあるはずです。

  • 駅に近いのに古いアパートで借り手つかず⇒DIY可にすることで「駅近」が生きる!
  • 狭い⇒デザインで広く見える空間に、ぜいたくなワンルーム!
  • 古い一軒家や店舗⇒借主の感性で、アートギャラリー風の飲食店に!

まずはご自分の物件で、自由に想像を膨らませてみましょう。

リスクが低いリノベーションビジネスがDIY賃貸

リノベーションという言葉をご存知と思います。古い商業ビルがモダンな建物に生まれ変わり、IT企業やデザイン事務所などの若い経営者が、こぞって集まる例は多々あります。しかし、リノベーションには資金がつきものです。しかも、リノベーション後とはいえ、借主がすぐに表れるとは限りません。リスクを背負うことになるわけです。

その点、DIY可能賃貸は、初期投資なしに新しい借主を探すことができます。リスクを極力に減らしたリノベーション事業と見ることができるのではないでしょうか。

参考:

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