不動産売買にかかる仲介手数料の意味と費用の仕組み

不動産売買にかかる仲介手数料の意味と費用の仕組み

不動産を売買するときは多くの場合、不動産会社に依頼をして購入物件あるいは購入希望者を探してもらいます。希望する条件で売買が成立したときに、不動産会社に仲介手数料という名目の費用を支払うことになります。でも、これはどういう意味の費用なのかわかりますか? たとえば、物件購入を決めたけれど住宅ローンが通らなかった場合でも、不動産会社に仲介手数料を支払う必要があるのでしょうか? また、どのような計算で仲介手数料は決められているのでしょうか? 疑問がつぎつぎにわいてくる、という人は多いはず。今回は仲介手数料の意味と、その費用の仕組みについて紹介します。

仲介手数料とは何に対する費用なの?

土地やマンション・戸建て物件にかぎらず、不動産を売買するときには不動産会社に依頼をするのが一般的です。一社あるいは複数の不動産会社と売買に関する契約をして、不動産を売ってもらう、あるいは購入する不動産をさがしてもらいます。その後、売買が成功したとき、物件の価格とは別に不動産会社に支払うのが仲介手数料と呼ばれるものです。具体的な費用の内容を確認していきましょう。

仲介手数料は成功報酬

物件を売買したいと考えて、不動産会社と契約をして営業活動を委託したとしましょう。契約には専任媒介契約や一般媒介契約などがありますが、多くの場合、一般媒介契約であっても3か月ごとの見直しということになります。その3か月の間に売買が成立しなければ、仲介手数料は発生しません。仲介手数料は売買が成立したときにのみ、不動産会社への支払いが発生する成功報酬なのです。

仲介手数料に含まれるものと含まれないもの

含まれるもの:売買が成功したことへの成功報酬です。売買価格に一定の率を乗じた金額なので、売買価格によって決まります。

含まれないもの:不動産を販売するための営業費用(チラシ作成費や営業活動費)は、不動産会社の担当者が直接チラシを配っても、新聞広告に挟み込みをしても、仲介手数料には含まれません。ただし、一般的な営業・広告以上の販促活動を依頼した場合は、別途料金を請求される場合もあります。しかし、それは仲介手数料とは別のものです。

法律で定められた仲介手数料

仲介手数料とは、不動産の売買を不動産会社に委託した場合、その契約が成功したときにのみ発生する費用であることは理解できました。ところで、仲介手数料が一定ではなく、不動産会社によってバラツキがあるのはどうしてでしょう。仲介手数料の値段の決め方と法的ルールを確認していきましょう。

仲介手数料には法的ルールにより上限がある

国土交通省では「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額」を定めています。つまり、不動産会社が勝手に仲介手数料を決められるわけではないのです。では、不動産会社によって値段が一定でないのはどうしてでしょうか。これは成功報酬なので、売買が成功したときに請求する権利が不動産会社に発生するというところにポイントがあります。言い換えれば、上限以内の金額であれば、不動産会社がいくら請求してもかまわないということになります。もちろん、仲介手数料を請求しないという判断も、不動産会社には許されるわけです。そのため、営業戦略として仲介手数料を他社より低く設定している不動産会社があっても、それは違法ではないのです。例えば、物件の販売を不動産会社に委託をして販売が成功した場合、売り手と買い手の両方から仲介手数料をもらう権利が不動産会社に発生しますが、売り主には仲介手数料を請求するけれど、買い手には仲介手数料を請求しないケースもあります。

逆に、上限以上の請求や売買契約時に仲介手数料の明記がないのは違法ですので、確認しておきましょう。

仲介手数料の計算方法

国土交通省によって定められた上限とその計算方法は以下のとおりです。

不動産売買価格を「200万円以下」「200万円を超え400万円以下」「400万円を超えた部分」の3区分で考えます。それぞれに掛け率が定められています。詳細は以下のとおりです。

200万円以下の部分は5.0%以内の掛け率

200万円を超え400万円以下の部分は4.0%以内の掛け率

400万円を超える部分は3.0%以内の掛け率

ただし、それぞれの合計に消費税が加算されます。

では、具体的に計算してみましょう。例えば、計算がしやすいように、売買価格が1,000万円の物件で考えましょう。

200万円以下の部分:200万円×5.0%=10万円 10万円×消費税8.0%を加えるので、10万8,000円

200万円を超え400万円以下の部分:200万円×4.0%=8万円 8万円×消費税8.0%を加えるので、8万6,400円

400万円を超え1000万円までの残りの部分:600万円×3.0%=18万円 18万円×消費税8.0%を加えるので、19万4,400円

これらの合計38万8,800円(税込み)が仲介手数料の上限です。

こうした計算式は複雑なので、400万円を超える不動産については、次の計算で仲介手数料の上限を出すことができます。

売買価格×3.0%+6万円+消費税

同じ条件の物件を簡易計算方法で算出してみましょう。

1,000万円×3.0%+6万円=36万円 消費税8.0%を加えると、38万8,800円となります。

400万円を超える物件に関しては、この簡易計算方法で確認すればよいでしょう。

仲介手数料はいつ支払うの?

仲介手数料の内容と計算方法は理解できました。では、仲介手数料はいつ支払うのがよいのでしょうか。売買の成立をもって仲介手数料が発生するわけですから、「物件が売れた」または「買いたい物件が決まった」という段階で支払ってもかまいません。しかし、この段階では、物件の売買契約が完了していません。そのため、売買が成功した段階でまずは半額を支払い、残金は物件の引き渡しが完了したと同時に支払うというのが一般的であるようです。

この支払時期について、法律における明確な決まりはありません。そのため、不動産会社に売買に関する委託契約を結ぶときに、仲介手数料の値段と支払うタイミングについても明記しておくようにしましょう。

仲介手数料を支払わなくてもよい場合

仲介手数料は不動産の売買が成功したときにのみ発生するのであれば、いったん売買契約を結んだけれど、解約あるいは住宅ローンが組めなかった場合はどうなるのでしょうか。

仲介手数料が発生するケース

不動産を売買するとき、買い主は手付け金として販売価格の一部を支払います。ところが、買い主が何らかの事情で契約を解除したいと申し出た場合は、その手付け金は買い主側には戻りません。また、いったん契約が成立したと見なされるので、仲介手数料も発生する場合もあります。

一方、売買契約が成立したにもかかわらず、売り主が売るのを中止した場合は、手付け金の倍額を返却するのがルールになっています。この場合も、不動産会社からは仲介手数料を請求されることもあります。

仲介手数料が発生しないケース

不動産を購入する際、多くの人が金融機関からの融資を利用します。この融資申込みには物件の売買契約が成立していることが条件になります。これは融資を受ける資金について、不動産物件を本当に買うつもりがあることを金融機関側が確認するためでもあります。つまりこの時点で、物件の売買契約は、いったん成立したことになります。しかし、金融機関からローンの審査が通らない、あるいは申込金額の融資が難しい(減額での融資)などの結果を受けた場合は、不動産の売買契約を白紙に戻すことができます。ただし、こうした事情を考慮して、あらかじめ契約時に特約として明記しておく必要があります。

このような特約事項が契約書に明記されている場合は、仲介手数料の支払いは発生しません。

まとめ

不動産の売買には、物件の価格以外にもさまざまな費用が発生します。大きな金額を動かすことになりますし、また金融機関から直接不動産会社や売り主へ支払いが実行されることもあります。契約書などに書かれた数字だけを眺めていても、それがどのような意味のお金で、どの行為に対する支払いなのかを意識しないまま支払いを実行することもあるでしょう。

自分の希望をかなえ、納得のいく不動産売買を行うためにも、仲介手数料などの名目が何を意味しているのか、また、その値段は正当なものなのかを知っておくことが大切です。意味の分からないことは、「こういうものなのだ」と思い込まずに、積極的に動いて知ることからはじめると、理想的な不動産売買を実現できる可能性が高まるでしょう。


参考:

不動産の購入・売却コラム|REDS不動産流通システム

不動産基礎知識|公益社団法人全日本不動産協会

 

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