アパートの騒音トラブル!その対処方法と対策費用

アパートの騒音トラブル!その対処方法と対策費用

賃貸物件の住み心地は、実際に住んでみないとわからないことです。そのため、苦情やトラブルの元になることも多いようです。なかでも最も多いと言われるのが、「騒音」です。騒音といっても足音、話し声のような生活音から楽器の音などといった趣味に関わる音まで、さまざまな音が「騒音」として挙げられています。今回は、騒音トラブルの事例を見ながら、その対処方法と対策を講じるためにかかる費用などを紹介しましょう。

騒音トラブル・ケーススタディ

アパートで多く見られる騒音トラブルには、どのようなものがあるのでしょうか。それぞれのケースへの対処方法を見てみましょう。

  • 足音・ドアの開け閉めの音:上階に住む人の足音がうるさいと下階からクレームが出るケースです。

対処:足音やドアの開け閉めに関して気を付けてもらうように、回覧板状のお知らせを居住者全員に向けて出すなど、全員に注意を呼びかける方法が適切なようです。上下の住人同士でトラブルになっている場合には、双方の言い分を聞いて、もめ事が大きくならないように仲介するのが適切です。委任している仲介業者に対応を任せるのが一般的です。

  • 子どもの遊ぶ音:上階に住む子どもが遊ぶゲーム機の音や、はしゃぐ声が夜中まで響くとの苦情がでるケース。

対処:クレーム元になっている住民に事情を伝え、子どもがゲーム機で遊ぶ時間帯、はしゃぎすぎへの注意を促す対処方法が一般的なようです。騒音に感じている住民にも対処したことを伝え、様子を見てもらえないか、またある程度はがまんをしてもらえないかお願いをして収めることが多いようです。

  • 早朝、夜中の機械音:周辺住民から早朝や夜中に機械音がするとクレームがでるケース。洗濯機、掃除機なども時間によっては騒音と認識される音量になります。

対処:居住者の生活リズムによって、洗濯機を回す時間帯が夜遅く帰宅した後、あるいは早朝に出勤するまでの間であることも考えられます。しかし一般的に午前8時まで、夜8時以降となると常識的な時間であるとはいえません。そこで、騒音元になっている居住者にその旨を伝え、周りの居住者への配慮を促すという解決方法があります。

  • 話し声、喧嘩のどなり声、子どもをしかる声など:隣の家族の喧嘩する声・話し声がうるさいとクレームがでるケース。家族のなかではさほど多くはないと思っている普通の話し声・喧嘩も、隣に住む他人にとっては耳障りな騒音と認識されることが多い事例です。

対処:話し声や喧嘩のどなり声、子どもをしかる声を注意するのは難しいケースです。注意された居住者はとてもプライベートな内容について指摘された気分になりますが、騒音を訴えた居住者にとってはかなり耳障りな音であることに違いはありません。直接の騒音原因を限定せずに、騒音トラブルについての連絡事項をすべての居住者向けに配布したり、定期的に仲介管理会社から注意喚起のお知らせを配布してもらったりして、個人感情を刺激しないような対処方法をとることをおすすめします。事例のなかには騒音元に注意を促すように話をしたら、退去されたという失敗もあります。

  • 楽器、レコード、CDなどの音楽:音楽だから誰も騒音とは感じないだろう、と考えるのは間違いです。自分にとっては快適な音楽であっても、他人にとっては迷惑な騒音となり、クレームがでるケースです。

対処:防音対策をしている物件でも、常識の範囲を超えたボリュームで音楽が流れると、周りに漏れることがあります。楽器やレコードなどから流れる音は、人の生活音とは違っているため、周りに通りやすい音域だともいえます。基本的には賃貸物件の場合、大音量での音楽鑑賞や楽器演奏などを禁止しているケースが多いのですが、それでもクレームが出た場合には、居住者全員に騒音発生元になっている可能性があることを通知したうえで、騒音元としてクレームがあった居住者に注意をする対処方法が多いようです。

騒音トラブルのケースを見てみると、普通の生活雑音であっても、他人にとっては騒音と認識される場合があることがわかります。こうした状況を想定して、契約を交わす際に、騒音問題についての発生事例を伝え、あらかじめ生活面での注意喚起をしておくことも対処方法のひとつだといえそうです。

対処法の注意点:地域の条例にも注目しておくこと

騒音トラブルへの対処法で注意しておきたいのが、騒音被害を訴えた住民も騒音元の住民も、オーナーにとっては同様に大切な居住者であり、同じ条件で契約をしている顧客であることです。オーナーには平穏な環境を提供する義務があるとはいえ、騒音クレームを鵜呑みにして、クレームを出した住民の立場にだけ立って対処方法を行うことは、トラブルを大きくする原因になります。また騒音トラブルの場合、生活雑音が原因になっていることが多いこともあり、双方が被害者意識を持つ可能性がある、という点も注意が必要です。

たとえば「子どもの遊ぶ声がうるさい」とクレームが出た場合、それを騒音元になっている住民に伝えると「子どもがのびのびと遊んでいる環境や成長を見守れないのか」とクレームが返されるケースもあります。

大切なのは生活時間から考えて常識を逸した時間帯に、周りに響くような音量を出しているのかどうかを判断することです。ひとつには法的な定義がどうなっているかを確かめておくことも大切です。

たとえば、奈良県平群町では「安全で安心な町づくりに関する条例」2条1項で「騒音」について定義をして、午前8時〜午後8時までの12時間は65デシベル、午後8時〜翌日午前8時までの夜間の12時間は60デシベルを超える騒音を発した場合は、警告や立ち入り調査を行うことができると定めました。

平群町安全で安心な町づくりに関する条例

上記のようにアパートやマンションの建つ地域の条例を調べておくことも、公平な対処をするための手段です。

構造的に騒音対策する場合の費用目安

騒音のトラブルでも多く出るのが上階の住民の足音や天井から響く音だといわれます。しかしこの問題にはアパートの構造が大きくかかわっています。たとえば鉄筋コンクリート造りの建物だと、上階の床を通して下階の天井に生活音が響くことは少ないようです。一方で、足音が騒音として認識されやすいアパートの構造は、鉄骨造や木造のものが多いようです。これには床の構造材の厚さと仕上げ方が影響しています。

これを全ての部屋で改修するのは、かなりのコストがかかり、現実的ではありません。

そこで床の遮音性能を高めるために、遮音シートや遮音マット、絨毯・カーペットなどを敷き込むことを検討してみましょう。絨毯・カーペットにもさまざまな機能のある商品がありますので、大きな改修工事を行わなくても床の遮音性を高めることが可能です。

リフォームのタイミングに合わせて、防音性の高いフローリングに変更することも大きな対策になります。その際には、床だけではなく、壁・窓などに対する防音も検討しておきましょう。費用の目安は以下のとおりです。

防音機能のある床材に交換する:1㎡あたり1万円〜1万5,000円程度 6畳の部屋だと諸費用を含め、リフォーム代がおよそ25万円程度になります。

防音絨毯・カーペットを敷く:タイルカーペットやコルクマットなど素材によって価格も変わります。6畳あたり1万5,000円〜4万円程度が目安です。

まとめ

アパートでも戸建て住宅でも、人が生活をするとさまざまな音が発生します。話し声、機械音、足音、生活雑音と呼ばれるものは、発している本人にとっては気にならない日常的な音なのですが、他人にとっては耳障りな雑音・騒音として認識される可能性があります。背景には人間関係なども絡み合っているのですが、訴訟社会と言われる欧米とは異なり、まずは住民同士が気をつけることが基本になっているのが日本社会です。

同じ物件に住むもの同士がいがみ合うことのないように、また不愉快な思いを我慢しながら暮らすことのないように、安心安全な環境を維持し、提供することがオーナーの役目だということを意識しておきましょう。とくに人間関係の構築しにくい都会のマンション・アパートにおいては、ある程度は住民同士に了解をしてもらうことと、住民同士に良識をもって生活してもらえるようにあらかじめルールを作っておくことが大切です。基本的には契約時に明確に伝えておくことです。

そして、法的な条例などにも注意を払い、住民が平穏な環境で暮らせるように、公平な立場で対処することを心がけましょう。

 

参考

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