競売物件を活用して不動産投資をはじめるメリットとリスク

競売物件を活用して不動産投資をはじめるメリットとリスク

社会経済状態が低迷しているときや、不景気な状況が個人生活にも影響をおよぼしているときには、魅力的な物件が競売にでることがあります。そういった競売物件を購入して不動産投資をはじめれば、購入価格が低く抑えられるのではないか、と興味を持つ人も少なくないようです。競売物件を活用して不動産投資をはじめるにあたり、競売物件の購入手続きを確認しながら、そのメリットとリスクを見ていきます。

 

競売物件は誰でも購入可能なの?

競売物件として売却される不動産とはどういったものなのか、誰が購入する権利を持っているのかなど、競売物件を購入する方法を確認しておきましょう。

競売物件とは

競売物件には一戸建て、マンション、土地などがあります。居住目的の物件だけではなく、店舗やビル、事務所といった商業用物件もあります。

不動産は、どういった状況で競売物件になるのでしょうか。たとえば居住用の一戸建て物件の場合、所有者が住宅ローンの支払いが出来なくなり、任意売却という方法が選択できなかったとします。このときに、債権者からの申し立てによって裁判所が競売の公告を行うのです。競売にかけられた物件は一定の期間中に入札が行われます。

競売物件といっても、売却の方法が異なるだけで、物件そのものは一般的な中古物件と変わりはありません。

競売に参加できる人とは

競売には、基本的に誰でも参加できます。住民票や外国人登録証が提出できる人であれば、国籍を問わず参加できることになっています。しかし、競売物件の債務者は参加できません。また、以前に競売物件の入札に参加して落札したにもかかわらず、売却代金を支払わなかった人は参加できない可能性があります。

また、農地のように取得に一定の資格が必要な物件に対しては、買受適格証明書(農地法の許可を受ける見込みのあることを証明する書類)の提出が条件になります。

競売物件の情報はどうやって入手するのか

競売物件は市場に出ることはありません。競売物件の情報を得るためには、最高裁判所から委託を受けて株式会社NTTデータが運営している専用のサイトで確認する必要があります。または裁判所に設けられた閲覧室で情報資料を閲覧することが可能です。

BIT 不動産競売物件情報サイト:http://bit.sikkou.jp/app/top/pt001/h01/

 

競売物件を購入する3つのメリット

競売物件を購入するメリットを確認しておきましょう。

割安で購入することができる

競売物件は、その物件の元所有者が事情により債務が果たせないために売却することになった物件です。そのため、一般的な中古物件のように、価格に売り手や仲介不動産が見込む利益が上乗せされておらず、格安で購入することが可能です。

多くの場合、3割程度安くなるといわれていますが、購入後に負担する費用などを考慮すると、割安の程度は物件によって違ってきます。同じ条件に近い物件を、格安で購入できることは大きなメリットですが、当該物件の情報や周辺にある同等物件の価格帯を確認しておくことも忘れてはなりません。

市場には流通しないような物件を探すことができる

競売物件では、立地や建物に特殊性のある物件が手に入る可能性があります。一般的な物件では、不特定多数の購入希望者を想定しているため、特殊な立地や建物はほとんど扱われません。しかし競売物件は裁判所が購入希望者を募る物件なので、多様な物件が出るといえます。

権利関係の手続きは簡単

裁判所と購入者が、物件の所有権の移転登記や抵当権の抹消登記などを進めることになるので、処理に伴う負担は少なくてすみます。

 

競売物件を購入する4つのリスク

競売物件が一般の中古物件と変わらないといっても、購入することに関してはすべて自己責任で行う必要がある点に注意が必要です。項目ごとに確認していきましょう。

購入前に内覧不可、しかも問題が発生しても自己責任

競売物件を購入するときのリスクとしてもっとも大きいのが、買う前に内覧できないことでしょう。裁判所が調査した結果を示した「物件明細書」「現況調査報告書」「評価書」の3つの資料が閲覧できるほか、室内を撮影した写真が添付されている部分の確認しかできません。

また、一般の不動産購入とは異なり、不動産会社が仲介していません。調査内容に示された事実が間違っていたとしても、落札した人が自己責任において問題解決しなければならないのです。つまり、瑕疵(かし)担保責任のように、売り手側が負うべき責任は存在しないのです。

強制執行の手続きが必要なケースもある

競売物件が空き家であるとは限りません。競売になった物件の元所有者が居住しているケースもあります。そうした場合は、裁判所に対して強制執行の手続きを自らが行わなくてはなりません。

これらのリスクがすべての競売物件にあてはまる問題点というわけではありませんが、事前にしっかりと物件内用を確認し、できるかぎりの調査を行い、入札に臨む必要があるのです。

思ったほど格安ではないケースもある

競売物件のなかには、物件の条件もよく、裁判所に手続きを申請しなければならない問題もない、魅力的な物件もあります。そのような物件が安く手に入るのなら、これはメリットになるのですが、好条件で立地も良い競売物件の場合は、周辺の中古物件の販売価格と大差がないというケースも多いです。事前に周辺の相場を調べておく必要があります。

購入に住宅ローンが使えない可能性もある

一般の中古マンションを不動産投資に利用する場合、不動産投資ローンを組むことができます。もちろん居住用の物件に適用される住宅ローンに比べると、金利や審査の面で厳しいことが多いです。競売物件の場合は、さらに審査が厳しくなり、融資を受けられるかどうかは金融機関によって扱いが異なります。

競売物件でも融資をする金融機関が見つかり、融資を申し込んだとします。一般の物件を購入する際に申し込む売買契約には、「ローン特約」という制度があり、融資が得られない場合は物件購入契約を白紙に戻せることになっています。ところが競売物件に対する入札にはこの「ローン特約」がないので、融資が受けられなくても落札したら代金を支払わなくてはなりません。

また、入札時に現金で保証金を用意する必要もあります。保証金は、売却基準価額のおよそ10分の2以上の金額とされています。

入札時に支払った保証金は、落札したにもかかわらず、金融機関からの融資が得られず、物件代金を支払えない場合は裁判所に没収されることになります。

つまり、金融機関からの融資を利用して競売物件の購入を進める場合は、審査が通る見込みや、競売と融資実行のスケジュールも含め、綿密に金融機関と相談をしておく必要があるのです。

まとめ

不動産投資をはじめるとき、できるだけ条件が良く、立地にも優れた物件を探したいと思うのは当然です。その選択肢のひとつとして競売物件があります。メリットは格安で購入できることです。一方、競売物件の購入にはいくつか注意しておくべき点も存在します。競売物件を購入して、不動産投資をはじめるなら、それらを理解し、情報を整理しておく必要があります。まずは、どのような競売物件がどれくらいの価格で売却されるものなのかをチェックして、情報収集からはじめてみましょう。

 

参考

 

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